登山中の低体温症対策!命を守るために知っておくべき事を解説 - ハルのナビ通信
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登山中の低体温症対策!命を守るために知っておくべき事を解説

低体温症
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低体温症とは何か?、低体温症になる原因や、どんな症状が出るか、予防するにはどうすれば良い

か等は『低体温症とは?危険性と原因・・・』の記事を読んで頂きたいと思います。

低体温症の原因や怖さが判った上で、低体温症になってしまった場合の対処方法などを詳しく解説

していきますので、しっかりと読んで頭に入れて頂きたいと思います。

これは、自分が発症した場合だけでは無く、グループの人や登山道ですれ違った人など『低体温症

では?』と思われる方を発見した時に、速やかに行動する事が出来るようにするための『命を守る

ためのガイド』として読んで頂きたいです。

 

初期症状を見逃すな!

初期症状を見逃さない

 低体温症の初期症状は以下のようなことです。

    悪寒  震え  倦怠感  頭痛  注意力散漫  判断能力の低下

 悪寒や震え、頭痛や倦怠感は自分で感じることが出来ますが、注意力散漫や判断能力の低下と

 言うのは、中々自分で気が付くのは難しいと思います。

 注意力散漫については、足元の根っこや石などに躓いたり乗ってしまって滑ったり、普段なら

 しっかり判断して避けて通る所なのに、その判断が出来ないことで起こります。

 尻もちをついたり、転んだりするまででは無くても、無意識の内にズズッと滑ったりつまずい

 たりが増えた時は、注意力の散漫を考えてください。

 これについては、普段の登山で疲れた時などにも起こるので、低体温症になっていたとしても

 気づけない事が多いのですが、明らかにいつもとは違うと言うところで判断してください。

 判断能力の低下についても、注意力とほとんど同じですが会話が出来なくなるという所で分か

 ると思います。

 今までにこやかに話をしていたのに、口数が少なくなったり黙ってしまったり受け答えが正確

 に出来なくなって会話が成立しなくなる等です。

 これらは普段の登山中にも感じる症状なので、見過ごしてしまう可能性が高いのです。

 なので、ただの疲れや高度によるものであったとしても、この症状が現れたら対処法をとって

 少し休ませるのが良いです。

 それで直ぐに元気になったら、それはそれで「良かったねぇ」ですから。

 もし本当に低体温症の初期症状であったのなら、早い対処を行うことで悪化させること無く

 力下山が出来るかも知れ無いし、救助を呼んで命を助けることが出来ますから。

 グループの場合は、誰かが異変に気が付いてくれるでしょうけど、ソロの場合は全てが自己判

 断になるので、グループの時よりもいっそう慎重になって欲しいと思います。

 いつもと違う悪寒や倦怠感を感じたら、直ぐに対処してください。

     もう少し進めば休憩所があるから・・・・

     もう少しで下山出来るから・・・・

   こういった考え方は危険なんです。

 なぜなら、登山者が言う『もう少し』というのは、時間にすると30分から1時間のことを

 表現していて、危険な状態で30分から1時間も経ってしまうと、症状は悪化してしまい判

 断能力が低下して。その時にはキチンと対処できない状態に陥ってしまっている場合もある

 からです。

 

対処方法

隔離

 隔離と言っても、他の人から隔離すると言う事ではありません。

 低体温症は体が冷える事で起こるので、まずは身体を冷やしている物から隔離する事が重要

 なのです。

 直ぐに以下の事を行ってください

  風が吹いていたら、岩陰など風が当たらない場所に移動する。

  地面に直接座らせず、敷物を敷いたりザックの上に座る(座布団が有ればなお良し)

  汗や雨で服が濡れていたら脱がせる(気化熱で体温が奪われるのを防ぐため)

   着替えが無かったとしても脱がせて、持っている上着の全てを重ね着させます。

  防寒着を持っていたら重ね着させる。

  レインウェアやウインドブレーカーなどを着て、風が体に直接当たらないようにする。

  ツェルトで全身を包む。(ツェルトとは下の画像の物)

   テント型に出きる物もありますが、それには慣れが必要なのでサッと着こむことが出来る

   タイプのものが良いです。

座布団は、普段の登山でも使えるので持ち歩く事をおすすめします。

カロリー補給

  下がった体温を上げるために、体の中でエネルギーを発生させる必要があります。

  登山中に行動食として持ち歩く、ナッツ類やエネルギーのバータイプ食品などを少しずつで

  も食べさせましょう。

  具合が悪く、食べ物を受け付けない時はゼリー飲料がおすすめです。

  ゼリー飲料なら、エネルギーと水分を同時に摂取出来るからです。

    その他の行動食については『行動食でエネルギーチャージ』という記事を見て頂きたいと

    思います。

温かい飲み物を飲む

  温かい飲み物を持っていたり、作れる状況であったら、温かい飲み物を飲むと言うのは身体が

  温まるだけでは無くて、気持ちも落ち着くので良いです。

  ただし、飲み物はカフェインの入って無いものにしてください。

  カフェインは、血管を収縮させてしまうので、血の巡りが悪くなってしまうからです。

  それとアルコールは絶対に飲ませないでください。

  良く「お酒を飲めば温まる」といいますが、アルコールを飲むと血管が拡張していまします。

  すると血管は、寒い空気に触れる面積が増えてしまうからです。

  お酒を飲んだ後に、ブルブルッと寒さを感じた事はないでしょうか?

行動を起こす

  対処しても状況が回復しなかったら、直ぐに救助を要請してください。

  また早期に対処したことで、意識がハッキリして体の震えなどが落ち着いた時は、注意しな

  がら下山することを考えても良いでしょう。

  じっと座っているより、動いた方が体が温まるからです。

  ただし、絶対に無理をしてはダメですよ。

  登山届は出してありますよね?

  どんな山に登る時も、登山届を出す必要があるのはご存じですよね?

  それは、こういった緊急の場合に役立てる為です(ネットやスマホ地図からも出来ます)

  また家族や友人にも声を掛けて、どこの山へ行くとか何時に帰るなどを伝え『もし〇時を過ぎ

  ても下山したよって連絡が入らなかったら、救助要請して欲しい』このように伝えておきます

  そうすれば電波が入らなくて自分で救助要請が出来なくても、家族や友人が要請してくれます

  またグループの場合は半分に分かれて、下山して救助要請してもらいましょう。

  残った人は低体温症の人に寄り添って、様子を見ながら体を温める事を続けてください。

山では意識障害が早く来る  

 『山では意識障害が早く来る』という事を覚えておいてください。

 その理由は、血液が冷たくなる事で血中から体内に酸素が放出されなくなるからです。

 特に山は高山病があるように、元気な体でも脳に酸素が行き渡らなくなることがあります。

 そのため低体温症になると、早期に意識障害が起こってしまうのです。

 だから焦って「下山しなくちゃ!」とは思わないでください。

 ツエルトやテント、食料や飲み物など、ビバーク出来る用意があるのなら無理に下山せずに

 ビバークの用意をして中で体を温めながら疲れを取りましょう。

 

絶対にしてはいけないこと!

急速に温めること

 例えば・・・・

  小屋が近くにあったから、ストーブの傍に行き体を温める。

  お風呂が有るから、入浴して温める。

 このように、急速に体を温める事は絶対にしないでください!

 え===!?   何で!?  って思いますよね。

 急速に体を温めると、低体温症の人がショックを起こしてしまうそうです。

 身体全部が冷えて、血液も冷たくなっているのが低体温症です。

 急速に体を温めると、表面は直ぐに温まり毛細血管の血液が勢いよく動き出します。

 血管の中には、冷えた血液が流れていますよね、低体温症なのだから。

 その冷えた血液が体の中を巡る事で、深部体温をより下げてしまう事になるからです。

 結果的に、低体温症を急速に悪化させることになってしまうのです。

 だから小屋があったとしても、中へ入るだけで暖房の傍には行かないようにしてください。

 小屋の人に「低体温症のようだ」と伝えれば、適切な処置をして頂けます。

 

まとめ

 ★常日頃から健康的な食事をして、体内でエネルギーが作れる身体にしておきましょう。

 ★登山をする時は、食べても食べなくても、カロリーの高い食品を多めに持って行きましょう。

 ★下着から上着まで、吸汗速乾素材の物を身に着けて汗冷えを起こさないようにしましょう。

 ★急な雨に備えて、晴れていてもレインウェアは持って行ってください。

 ★着ないと思っていても、寒さ対策が出来る上着を持って行きましょう。

 ★ツエルトは価格が安くコンパクトで軽いので、持って無い人は購入して常にザックに入れて

  おいてください。

 ★地面に座れるように、敷物や座布団を持って行きましょう。

 ★疲れが引き金になって低体温症を起こすこともあるので、適度に休憩を取りながら無理せず

  に登山を楽しんでください。

 ★真夏でも高山へ行く場合は、1本は温かい飲み物を持って行きましょう。

  風が冷たくなる季節には、必ず温かい飲み物を持って行ってください。

このように、低体温症にならないように気をつける事が、1番大切なことです。

そして低体温症が疑われたら、直ぐに対処をしてください。

   身体を温める  身体を冷やしている物から隔離する  そして急激に温めない

低体温症の人を助ける為には、この3つがとても重要です。

そして危ないと思ったら、迷うこと無く救助要請をしてください。

低体温症の進行は、とても速いです

意識を失ってしまったら、何も出来ません!

どうか低体温症にならないように、常日頃の生活を見直して、もしもの時には適切な処置が出来

るように身体を温めることが出来る、上着やツエルトなどを持参してください。

この記事は何度も何度も読んで、しっかり頭に入れておいてください。

低体温症は命に関わる症状であると言うことを忘れないで、速やかに適切な対処をしてください

みなさまが、安全で楽しく登山を行えることを願っています。

 

 

 

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