登山の基礎知識を学ぼう
登山を始めたいと思っているあなた、まずは登山の基礎知識を学びましょう。
登山は、自然の中で行うアクティビティです。
そのため、安全に登山を楽しむためには、登山の基礎知識をしっかりと身につけることが大切です。
登山の基礎知識には、以下のようなものがあります。
- 登山の種類
- 山の危険性
- 登山のルールやマナー
順を追って見て行きましょう
登山の種類
★日帰り登山
文字通り、出かけた日に登山をして、家に帰って来るスタイルです。
往復の移動時間も含まれるので、山の中を歩いて居られる時間に限りがあります。
当然、困難な登山は出来ない事になり、気軽に山を楽しむ登山になります。
持ち物は、食べ物・飲み物ともに、当日分だけ持てば良いので軽くなります。
★テント泊登山
ザックにテントを入れて登り、山小屋or避難小屋のテント指定地にテントを張って
そこで寝泊りするというスタイルです。
その日の内に下山しなくても良いので、奥深い山へ登ることが出来ます。
また時間的にゆとりができるので、のんびり景色を楽しみながら登山を楽しむことが出来ます。
標高が高い山の中で見る星は、とても近くに見えるし空気が澄んでいるので星たちが綺麗に見えますよ。
★縦走登山
1つの山頂だけを目指すのでは無く、2つ以上の山頂を目指して歩くスタイルです。
標高が低い山(低山)だと日帰りでも出来ます。
標高が高い山の場合は、小屋泊もしくはテント泊をしながら1泊以上の日数を掛けて行います。
日帰りでは絶対に行かれないような山へも行く事が出来ます。
★雪山登山
雪が積もっている山へ登るスタイルです。
低山から高山まで色々なスタイルがあります。
低山で積雪も膝位までなら日帰りが可能ですが、アイゼンやピッケルという道具や着る服なども
無雪期とは全く違います。
また技術も必要になるので、登山初心者は雪山には入らないでください。
雪山の練習をするなら、低山でコースタイムが短い山を選び、積雪量も膝下までとすることを守りましょう。
登山を始めて行う場合は、ガイドブックを見ると『体力度』『技術度』などが表示されているので
それを目安にして、★1つから始めると良いでしょう。
また地図は、どんな山へ行くのにも必要です。
本屋さんやネットでも購入できるので、あらかじめ購入して注意点なども記載されているので
読み込んでおきましょう。
またスマホで自分の現在位置が判る地図もあります。
私が使っているのはYAMAPの物ですが、コース上に自分の位置が示されるので、自分が今どこに居るかを
把握できるし道が判らなくなった時も、少し移動して見ればどっちへ進むべきなのかが目に見えて判るので
インストールしておくと良いと思います。
こんな風に見えますよ。⇓

この地図の右端にある紙飛行機の図をタップすると、地図上に自分の居場所が青色で示されます。
山の危険性
山は、街中と違って自然そのものです。
地主の方や、『山の会』や『山小屋』など様々な方々が、登山道の整備をしてくださっている所が多いです。
それでも、登山道以外は危険な個所がいっぱいあります。
危険なこと
- 天候の変化
- 落石
- 滑落
- 遭難
★天候の変化
『山の天気は変わりやすい』という言葉を聞いたことがあると思います。
低山では、天気予報で「低気圧が近づいています」など言われている時以外には
あまり大きな変化はありません。
でも1000mを超える山などでは、『山ならではの天気』が存在します。
なぜ、山の天気は変わり易いのか❓
複雑な地形と標高の高さから、平地とは違う気象状況が生まれるからです。
山に向かって吹く風が山肌を駆け上るにつれて雲を形成されて水蒸気が多いと雨雲になります。
水蒸気量が多いと大雨になり少ないと小雨になります。
だから天気だけでなく湿度をチェックする事も大事です。
天気の変化による遭難事故も起きています
大雨による沢の増水や土砂崩れ
雷の発生による落雷事故
霧による視界不良での道迷い
突然の雨でレインウェアを着ている間に体が濡れて低体温症に。
急に風が強くなったことで、木の枝が折れて落ちてきたり、体を振られて足をすべらせたり
登山をする際には、これらの危険性を十分に理解し、対策を講じることが大切です。
登山のルールやマナー
登山には、以下のルールやマナーがあります。
- ゴミは持ち帰る
- 花や植物を傷つけない
- 他の登山者への配慮
★ゴミは持ち帰る
これは山に限った事では無いですけどね。
街中だったら「汚いなぁ」で済むことが多いですが、山の中には先住動物や鳥が多く住んでいます。
山の中で出るゴミと言うのは、飲んだり食べたりしたものですね。
使用済みのティッシュなども良く落ちていますが・・・
食べ物の匂いが付いていると、動物が寄って来て口にします。
海洋生物がビニールなどを飲み込んで死んでしまうと言うのは、良くニュースで見掛けますよね。
それと同じことが山の中でも起こります。
また、人間の食べ物の味を覚えた動物は、人里へ降りてきて家や畑を荒らします。
山ではお湯さえも捨ててはいけないと言うルールがあります。
お湯でもお茶でも食べものでも・・・・
それらは、元々は山の中に無いものです。
土の中の微生物や植物の生きる環境が変わってしまうのです。
環境が変わると、そこに生きていたものは死んでしまいます。
植物連鎖が上手く回っているから自然が保たれている訳で、連鎖がどこかで途切れると・・・
山は死んでしまいます。
飴の紙1枚。コーヒーを作った時に残った少量のお湯。
全て、持ち帰りましょう。
★花や植物を持ち帰らない
綺麗な花を見たら自分の庭に植えたくなって持ち帰った。
この木は、枝1本位取っても問題ないでしょう。
こんな安易な気持ちを持ってはいけません。
その花や草木は、その山固有のものかも知れません。
個体数が減ってしまっているものかも知れません。
人が手を着けたことで、その部分から枯れてしまうかも知れせん。
家に持ち帰った場合、それは『外来種』と同じことになります。
元々、そこにあった物では無いのですから。
生態系が崩れてしまうかもしれません。
どうか花や草木は、 写真に『撮る』だけにしてください。
また下山した時には、靴底に付いた土は登山口の近くでしっかり落としましょう。
これも、種を運んでしまわない為というのと、動物の糞や尿には病原菌がついている
ことが多くあるからです。
伝染病などを広めてしまう事ににもなるので、しっかり土を落としてください。
★他の登山者への配慮
登山を楽しんでいるのは自分一人ではありません。
すれ違う時にぶつかってしまって、滑落事故に繋がったケースも多くあります。
私も、すれ違う時に相手が体の向きを変えた事で、ザックが私に当たりあと少しで
登山道から落ちてしまいそうになったことがあります。
特に団体さんは、仲間との話に夢中になって周りへの配慮が足りない事が多いです。
他の登山者とすれ違う時は、少し広くなっている場所を探して避けましょう。
『登り優先』という暗黙のルールもありますが、登る人は疲れている事が多いです。
無理に「どうぞ登って来てください」と声を掛けるのは酷な事もあります。
お互いに声を掛け合って、ゆづり合って歩くようにしましょう。
登山は、「山の中を歩くだけ」という簡単な考え方で行わないようにしてください。
極端な言い方かも知れませんが、『死と隣り合わせ』であることも、頭に入れておいてください。
これから登山を始めようと思っている方
すでに初めてはいるけど、登山の事を良く理解していない方などにお勧めの本があります。
これらの本を読んで、知識を蓄え体を鍛えて、安全で楽しい登山をしてくださいね。(^^)